風林火山・孫子の兵法6兵勢篇/難しすぎます。

『兵勢篇』では、まず、戦いは個人ではなく、集団で力を発揮させる事の重要性を説いています。

兵の人数が多くなれば、それだけ戦力が増すわけですが、たとえ大軍団になっても、それが小部隊のように統制がとれていなければ、力は発揮できないと、孫子は言います。

そして、集団で力を発揮させるために必要な四つの条件を出してくれています。
それは・・・
  一、分数
  一、形名
  一、奇正
  一、虚実

この四つのうち、「分数」と「形名」は軍の組織に関する事で、「奇正」と「虚実」は戦略に関する事です。まずは、「分数」と「形名」について・・・
「分数」とは分母と分子が・・・ではなく、軍の組織・編成の事。
そして、「形名」とは軍の指揮系統の事。
この二つは、それこそ、分母と分子のように、お互いが影響し合うような関係なのです。

大部隊が集団で力を発揮するためには、軍令(指揮命令系統)が確立されている事が重要です。
将軍の合図一つで一進一退、一糸乱れぬ行動をとってもらわなければなりません。

その軍令が確立されるためには、軍律(軍内の法律)が整っていて、手柄に対してはちゃんと賞賛し、規律を乱したら処罰するといったような、公正な賞罰が行われている事が必要です。

要するに、軍律が整っていれば、軍の組織・編成が確立され、軍の組織・編成が確立されれば、軍令も確立されるという事です。
軍律と軍令の確立の重要性は、この章意外でも、今までの章に何度も登場しています。

次に、「奇正」とは、古代中国の軍事用語で、「正」は常識的な事を指し、「奇」はその反対・・・つまり、特殊な物や変った物を意味します。

約2千年前の『孫臏(そんびん)兵法』という兵法書には、「“形”で“形”を制するのが“正”、“無形”で“形”を制するのが“奇”」という説明がされています。
例の「陰と陽」、「静と動」って事です。

孫子では、
『およそ戦いは、正を以って合し、奇を以って勝つ』
「対峙する時は正攻法で、勝つ時は奇襲で」
と語られます。

やはり、あの日本海海戦での連合艦隊のように、「まれに見る作戦を決行すれば、驚くような勝ち方ができる」という事でしょうか。

さらに続けて・・・
『・・・五色は五に過ぎざるも、五色の変は、勝げて観(み)るべかざる・・・戦勢は奇正に過ぎざるも、奇正の変は、勝げて窮むべかざる・・・』
「色の原則は、赤・青・黄・白・黒の五色だが、その組み合わせで無限に色が作れるように、戦いの原則は奇と正の二つであるがその組み合わせによる変化は無限である。」
「奇」と「正」の組み合わせによって、縦横無尽に変化する攻撃は、誰も予測する事ができません。

そして、この『兵勢篇』では、「奇正」の使い分けとともに「勢いに乗る」事の重要性も説いています。『善く戦う者は、その勢いは険にして、その節は短なり』
「良い戦い方とは、勢いに乗じて一瞬で力を発揮する」
せき止められていた水が開放された時、怒涛のごとく流れて行く・・・あるいは、キリキリといっぱいまで引き絞った弓が、一気に放たれる・・・というような例を挙げて説明してくれています。

そして、もちろんこの「勢いに乗る」というのは、組織全体で・・・全軍の力を一つにまとまて、勢いに乗らなければなりません。
『善く戦う者は、これを勢に求めて、人に責めず』
「兵士一人一人の行動に期待するのではなく、勢いに乗る事を重視する」

おおおおーー難しすぎる!しかし、これを形にすれば、敵必ずこれに従い、これに予(あた)うれば、敵必ずこれを取る』
「こうすれば敵は必ず動き、それをちらつかせば、必ず食いついて来る」
このような相手が食いつきような餌をばら撒いておいて・・・

『利を以ってこれを動かし、卒を以ってこれを待つ』
「敵をこちらの思うように動かしておいて、主力部隊を繰り出して一気に波に乗る機会を待つ」
なるほど・・・そうすれば波に乗れるわけです。ううーーーん?難しすぎる。まだ先があるのですが、書いてる本人が????ですので、今日はここまで。では